歴史
紀元前7~6世紀に、ギリシア人によってネアポリス(新都市)と名付けられたナポリは、その後ローマ時代を経て、ノルマン人によって統治されました。13 世紀になるとアンジュー家、続いてアラゴン家の王国が置かれました。そして、1503年スペインの支配下に置かれると、瞬く間に大都市へと発展。1734 年には、ブルボン王家のもと「首都ナポリ」へと返り咲きました。
中心地
ナポリ中央駅からメルジェリーナ港までの東西約5kmに及ぶ地域が中心地とされています。
中央駅前からウンベルト1世通りを南西へ下った先には、テアトロ・サン・カルロや王宮が面しするトリエステ・エ・トレント広場とプレビシート広場が広がっています。更に南へ向かうと、サンタ・ルチア港へと続きます。
ウンベルト1世通りの北側のドゥオーモ通り、ローマ通り一帯の下町は、スパッカ・ナポリと呼ばれています。大学生街であること、点在する古い教会、クローチェ通りに立ち並ぶ老舗の菓子店などの懐かしい雰囲気が気持ちを和ませてくれます。
一方、ヴェロメの丘の南斜面は山の手地区となっています。海が見渡せる丘斜面には高級住宅街が並び、丘の麓のアメディオ広場からミッレ通りは、ブランド店が軒を連ねる高級ショッピング街となっています。
市内の交通
3つの交通機関の切符は、UNICO NAPOLIウー二コ・ナポリという共通券になっています(ケーブルカーは1回乗車のみ有効)。駅窓口、タバッキ(タバコ屋)で販売。
UNICO NAPOLI
ウー二コ・ナポリ |
90分券 |
1.20ユーロ |
1日券 |
3.60ユーロ |
週末1日券 |
3ユーロ |
地下鉄
ナポリ中心街にはLinea1(1号線)とLinea2(2号線)の2線の地下鉄が通っています。
治安が悪いナポリで地下鉄を使うのは危険だと思いがちですが、実際はそれほど危険ではありません。特に1号線は、車輌も比較的新しく、近代アートで飾られたモダンでお洒落な駅が多いのが印象的です。また、Linea2はイタリア最古の地下鉄です。
運行:6時~23時。6~15分間隔で運行
Linea1(1号線)
- 観光主要駅
DANTE ダンテ駅
ダンテ広場、歴史的中心地区最寄リ駅。
MUSEOムゼオ駅
国立考古学博物館につながる駅。Linea2のCavour(カブール)駅と地下道で連結。
VANVITELLI ヴァンヴィテッリ 駅
ヴォーメロ地区の中心にあるヴァンヴィテッリ広場。サン・マルティーノ美術館、サンテルモ城最寄り駅。ケーブルカーの中央線のPiazza Fuga(ピアッツァ・フーガ)駅、キャイア線のCimarosa(チマローザ)駅と地下道で連結。
Linea2(2号線)
- 観光主要駅
POZZUOLI ポツォリ駅
Cuma(クーマ)の遺跡。
CAMPI FLEGREI カンピ・フレグレイ駅
Trenitalia(FS)の駅と併用。
MERGELLINA メルジェッリーナ駅
メルジェッリーナ港。この駅もTrenitalia(FS)の駅と併用。
AMEDEO アメデオ駅
ケーブルカーのキャイア線Parco Margherita パルコ・マルゲリータ駅が隣接。
CAVOUR カブール駅
国立考古学博物館、ドゥオーモ最寄り駅。Linea1のMuseoムゼーオ駅と地下道で連結。
GARIBALDI ガリバルディ駅
ナポリ中央駅の地下、Piazza Garibaldi駅。Pozzuoli方面行きは4番ホームから発車。
ケーブルカー
丘に囲まれたナポリには欠かせないケーブルカー"Funicolareフニコラーレ 。
全部で4路線あります。ヴェロメの丘へは、チェントラーレ線、キアイア線、モンテサント線のいずれかを利用してください。
運行:7時~22時。10~15分間隔で運行。
バス
路線が複雑なので、事前に観光案内所で路線図を入手しておくと便利。
観光には、中央駅~ヌオーヴォ城近くのムニチピオ広場~トリエステ・エ・トレント広場を結ぶR2番線(5:20~24:00間を約10分間隔で運行)が役立つ。
タクシー
正規のタクシーは、車の上に’TAXI’と表示されているもの。
支払いのトラブルが多いので、発車前の時点でメーターが点灯しているか必ず確認しましょう。最低運賃は約5ユーロ。
観光名所
国立考古博物館 Museo Archeologico Nazionale
ポンペイやエルコラーノ遺跡からの発掘品を中心に、膨大な数の発掘品を収める考古学博物館。
ポンペイのファウノ家から発掘された「アレキサンダー大王とダリウス大王の戦い」をはじめ、ローマ時代の彫像、石棺、モザイク画、フレスコ画、ガラス・宝飾品が多く収められています。
王宮 Palazzo Reale
1600年建築家ドメニコ・フォンターナが着工し、改築後はブルボン王家が住んだ王宮。建物の外には広大なプレビシート広場もあります。現在、内部は博物館になっています。17~18世紀のナポリ派の絵画や18~19世紀の調度品などが収められています。
ヌオーヴォ城 Castel Nuovo (マスキオ・アンジョイーノMaschio Angioino )
1279年アンジュー家によって建設、15世紀にアラゴン家のアルフォンソ1世が再建した王家の城。
入り口の凱旋門は、アルフォンソ1世の入場を記念して建てられたもので、ゴシック-ルネッサンス期の傑作とされています。内部のパラティーナ礼拝堂にはジョットのフレスコ画の一部が残っています。
卵城 Castel dell'Ovo
ナポリの街で一番古い城。12世紀にノルマン人が建てた要塞で、アンジュー王家の時代には牢獄としても使われていました。
この小島に建つ城とナポリ湾の眺めは、ナポリを代表するもの。
ドゥオーモ Duomo
右側廊には、聖ジェンナーロの血を収めていることで有名な礼拝堂があります。聖ジェンナーロの血は、 毎年5月と9月に液化するといわれています。
左側廊の奥は地下遺跡に通じ、ギリシア時代の壁やローマ時代の放水路を見ることができます。
国立カポデモンテ美術館 Museo Nazionale di Capodimonte
元々は王家専用の狩場だったカポディモンテ公園内にある美術館。建物は元ブルボン家王宮(1743年建造)。中世の板絵、ラファエロ、マザッチョ、ボッティチェリなど15~17世紀の絵画、18~19世紀の調度品、マジョリカ焼きなどが展示されています。
国立サン・マルティーノ博物館Museo Nazionale di San Martino
1325年に建設、1578年バロック建築に改築された修道院。内部は、ナポリ王国時代の歴史に関する展示中心の博物館があります。
隣には、星型の要塞サン・テルモ城があります。
サン・セヴェーロ礼拝堂 Cappella San Severo
堂内にある彫刻「べールに覆われたキリストCristo Velato」の生々しさには、圧倒されるものがあります。
主な食べ物
ピッツァPizza
ピッツァの発祥はナポリ。普通にピッツァといえば、トマトソースにモッツァレッラ、バジルをのせた「マルゲリータ」のこと。生地が薄いわけでもなく厚いわけでもなく、カリッともっちりとしたなんともいえない食感が特徴です。
マルゲリータという名前は、ナポリのピッツァ職人が、マルゲリータ王女のために焼いたことから命名されたそうです。
スフォリアテッラSfogliatella
貝殻をかたどったひだが何層もあるパイ状の生地の中にリコッタ、カスタードクリームやアーモンドクリーム等を入れ、オーブンで焼き上げた菓子。パリパリとした非常に硬い焼き上がりが特徴。
また、生地にPasta frollaパスタ・フローラと呼ばれる柔らかいビスケット生地を使ったスフォリアテッラ・フローラというものもあり、こちらはずんぐり丸もしく握りこぶしのような形をしています。
パーネ・カフォーネPane cafone
外皮が硬くて中がもっちりとした ナポリの田舎パン。味はやや酸味があり、塩のコクがあって味わい深いパン。
モッツァレッラ・ディ・ブファラ・カンパーナD.O.P. Mozzarella di bufala campana D.O.P.
水牛の乳で作ったモッツァレッラ。一般のモッツァレッラに比べて格段にコクとうまみがあります。 モッツァレッラ・ディ・ブファラ・カンパーナと呼ばれる ものは、南イタリア種の水牛の乳を使用、搾ってから16時間以内にモッツァレッラ生産場へ届けられ乳を使用、一定の脂肪分を満たしていなければならないな どの規定をクリアしていなければなりません。 |