イタリアでは、ハ-ブが日常的に利用されています。
特にバジリコ、セ-ジ、タイム、ロ-ズマリ-、オレガノなどは、毎日の料理に欠かせない定番ハ-ブです。 初夏になると、イタリアの店頭には様々なハ-ブ鉢が並び、人々はハ-ブ栽培を楽しむようになります。
自家製ジェノベーゼの材料になるバジリコ、バ-べキュ-の肉の香り付けに欠かせないのがロ-ズマリ-、セ-ジは豚肉によくあいます。
古くからヨーロッパでは、ハ-ブは病気や怪我を治す貴重な薬として重宝されていました。貴族たちはこぞって屋敷の庭園でハ-ブを栽培し、富の象徴としていました。
現在フィレンツェ大学の一部として研究に使われているセンプリチ植物園 は、もともと メディチ家がハ-ブ研究のために設立したものです。この植物園では約4000種類の植物が研究用に使われています。
貴族や商人以外でハ-ブの栽培・調合を行っていたのが修道院でした。 修道院で調合された薬草によって、多くの市民が命を救われたといいます。
現在でもハ-ブ製品を作り続けている修道院は多く、修道院売店にて薬草酒、蜂蜜、ジャム、コスメ類を買い求めることができます。
フィレンツェのチェルト-ザ・デル・ガルッツォ、やミラノ近郊パヴィアにあるチェルト-ザ・ディ・パヴィアなどが有名です。
イタリアの街では、薬草療法が主であった時代から続く薬局をしばし見ることができます。 フィレンツェの孤児養育院のそばにあるファルマチ-ア・サンティッシマ・アンヌンツィア-は、 創業1561年の老舗薬局です。オリジナルのスキンケア商品、ヘアケア商品、サンケア商品、香水、キャンドルなどが揃っています。老舗ならではのアンティ-クで気品のある内装、シンプルでしゃれたパッケ-ジも魅力的です。
同じフィレンツェで、 1211年創業の薬局オフィチ-ナ・プロフ-モ・ファルマチェウティカ・ディ・サンタ・マリア・ノヴェッラは、メディチ家がご用達だった由緒ある薬局。薬局は入場無料の博物館が併設されています。ガイドつきの工場見学も行っています。 様々なオリジナル商品があり、中でもユニ-クなのが猫・犬用のケア商品。パッケ-ジもシンプルもしくはアンティ-クで品のあるものばかりです。
また、このような薬局に似ていながら薬品は取り扱っていない店のことを『erboristeriaエルボリステリア』とよびます。
エルボリステリアでは、主にハ-ブを使った無添加の石鹸や化粧水、フェイスマスク、オイル、サプリメント、ハ-ブティ-などを扱っていています。 アンティ-クな店構えであることが多く、また、ハ-ブティ-のブレンドを頼むことができたり、アンティ-クな香水が数多く取り揃えられているのが魅力で す。エルボリステリアにある商品は、パッケ-ジもアンティークでかわいいので、ギフトとしても喜ばれます。
エルボリステリアは、イタリアのどんなに小さな町でも必ず一軒はあるものです。それほど、イタリア人にとってハーブは無くてはならないものなのでしょう。 |